ケンカ上等☆不良校上々↑↑
例えば、例えばさ。
もし、運命の赤い糸で、あたしと翼が繋がっていなくても。
「あのー‥」
あたしは、あきらめたくないよ。
「いい感じのとこ」
だって、翼が言ってた変えられる運命ってヤツを、信じてみたいから。
優しさに触れるたび、あたしの想いが、“好き”が、増えていくことに、
「悪いんスけど」
あなたは気づいてないだろうけどね。
「帰り道、反対の道っスよ」
「「…………」」
「……すいません、邪魔っスよね」
遠慮がちに後退していく歩夢。
帰り道、間違え───
「なんでおまえ気づかねんだよ」
「だだだ.だって!」
「これだから、おまえは心配でしょうがねぇんだよ」
「だってーーー!」
言えるわけないじゃん。
精一杯で、ドキドキしてて、周りなんて見てなかったなんて。
「いや、あの、そんな言い合わなくてもいいんじゃ……」
まあ、歩夢には悪いけど。
最近は、ちょっとくらい言い合うのも楽しいかなって。
翼とだから、くだらない話でもしていたいって、考えちゃう時もあったり‥なかったり。
素直にならなきゃダメだよね、あたし。