ケンカ上等☆不良校上々↑↑
顔のすぐ左側の壁に伸ばされた腕。
その身柄確保寸前の状況に混乱するあたし。
「なに赤くなってんの?」
「べ.別に」
あまりにも近距離なせいで、ドキドキと胸がうるさい。
「バカ、こっち見ないでよ」
真っ直ぐ見つめられ、プイッと顔を逸らした。
「リーダーなる?」
「なるわけないでしょ」
翼って、こんなに怖かったっけ?
最初見た時は、すっごく怖かったけど。
今日話してた時は、無邪気に笑ってて優しかったよね?
「どーせ、すぐにリーダーなりてぇとか言うに決まってんのに」
小さく聞こえた低い声。
「言わないってば!
勝手に決め付けないでよ」
つい大声で反論するけど……なんだか、翼が変な気がする。
どこが変って、詳しくはわからないんだけど。
「勝手に決め付けてねぇよ」
「決め付けてるよ!」
その後しばらく、お互いに睨み合い続けて。
あぁ…あたし今、何してんだろ。