ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「わかりやすすぎんだよ、おまえは」
「だって…‥、え、ちょっ───」
言い訳を考えていたら、突然強く掴まれた腕。
「だってじゃねぇよ、バカ」
隠していた両手の片方を、無理矢理前に持って行かれた。
次の瞬間、
手のひらが温かさに包まれる。
「冷てぇー。
よくこれで寒くないなんて言えるよな」
そう言って、呆れながらも優しく笑う。
いつもの笑顔。
あたしの手は、翼の大きな手にぎゅっと握られていた。
「あったかい……」
それは手だけじゃない。
体中が熱を帯びて。
ほっとして、心も温かくなる。
「おまえが言った通り、家ん中の準備にすりゃよかったな」
「え?」
「外じゃ、寒いしよ」
再び絡み合った視線。
今度は外さずに、じっと翼の瞳に映った微笑んでる自分を見た。