ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「でも嬉しい」
知らず知らずに言葉にしていた本心。
包まれた手を見つめながら、愛おしい気持ちでいっぱいになる。
翼が近くにいてくれるから、寒くないよ。
言葉にして伝えられるほど、素直じゃないから。
「嬉しいって、なにがだよ?」
「べっつにー」
「なんだそれ」
曖昧に答えて、笑ってみせた。
上手に伝えられない。
気持ちを伝える勇気は、まだ足りない。
けど、やっぱりそばにいたい。
そんなあたしの感情を知ってか、しばらくの間、手を繋いだまま並んで歩いた。
翼の手は温かい。
不思議なくらい、安心させてくれる。
こうして隣にいられる時間が、ずっと続けばいいのになんて思う。
「ねぇ翼、質問してもいい?」
目的のお店に到着して、一緒に買うものを選んで。
選びながら、あたしたちはちゃんと会話を続けていた。