ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「ん?」

「いきなりなんだけどね。
どうして、あたしなんかを稲妻のリーダーにしたの?」




それは、最初から疑問に思っていたこと。

わざわざ、あたしを選ぶ必要はどこにもないし。


他の誰かであっても問題なかったわけで。



「………だよな。
なんで、おまえなんだろうな」


少し考えてから答えた翼にも、特に理由はなかったみたい。





「太陽が、おまえがいいっつったからじゃねぇの?」

「太陽が?」

「あいつ、ウザかったじゃん」



そーいえば、

抱きつかれて、あたしがリーダーならないと離れないって感じのこと言われたっけ。


入学した頃のことなんか、もうほとんど記憶にないや。





「あ、でも俺も言ったよな」


翼は何かを思い出したように、苦笑いしながら続ける。


「言うこと聞いとけ、って」

「そんなこと言われたっけ?」

「あぁ。言った」




全然、覚えてないよ。

そのうち、今日の出来事も思い出になって。

忘れちゃって。

忘れちゃったことも、忘れちゃう日が来るのかな。



ちょっと寂しいな。






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