ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「はいはいはいはいっ、二人共そこまで〜!
翼、オレのみくるちゃんから離れろ〜」
割って入って、太陽が翼をあたしから離した。
たぶん、このままの険悪なムードをどうにかしようとしてくれたんだと思う。
睨み合っててもキリがないから。
「みくるちゃんも、ムキになるなって〜」
「だって」
「別に、すぐじゃなくていいよ〜。
リーダーなること考えといて」
お馴染みの、えくぼと笑顔を見せて荷物を手に取る。
ちょっと前までは太陽のが、しつこかったのに。
「翼、帰ろ〜ぜ〜」
すんなり諦めて、あたしを解放してくれた。
翼も荷物を持って歩き出す。
教室から出る途中、振り返った時に絡んだ視線。
「ごめん……みくる」
小さく聞こえたその声に、あたしは首を傾げた。
「いや…別に、なんでもねぇよ。
じゃあな」
翼は、それだけ言うと挙げた手を軽く振ってから姿を消し去ってしまった。