ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「さっきから、何なんだ?
ぼーっとしてっけど、そんなんだと電柱にぶつかるぞ」




な.なんて不吉なことを。



カゴを持ってレジに向かう。

その途中、振り返って面白そうにあたしを見てくる翼。




「おおお.お店の中には、電柱なんかないから大丈夫だもん」

「また、どもった」




うぅ‥。

指摘された。




「仕方ないじゃん、もうっ」


そう言って頬をわざと膨らます。


振り返った時に、不意に見せる翼の笑顔がいけないんだ。

ドキッてしたもん。




「今度は拗ねた」

「わざわざ解説しなくていいから!」



あたしの手によって、バシッという音が響く。



「ムカついたからって、とりあえず人の背中叩くのやめろ」

「知らなーい」



ぷいと顔を背けて、怒ってみるけど。

実際、あたしの顔には笑みが浮かんでる。


別に、翼に対して怒ったフリするのが楽しいとかじゃなくて。


嬉しいんだと思う。


自分でもよくわからないけど、こうして言い合えるのが嬉しい。


うん、きっとそうだ。






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