ケンカ上等☆不良校上々↑↑
けど、その人物はすぐに物陰へと消えてしまう。
行かなきゃ。
不思議と、今行かなきゃダメな気がして。
「翼、お会計済ませたら出入り口の近くに行ってて」
「は?」
「じゃあっ、またね」
足が勝手に動いていた。
翼に質問されないように、会話は強制終了。
言いかえれば、逃げたってことになるんだけど。
相手が相手だし、あまり深入りしてほしくなかったのも事実。
確か、ここらへんだ。
目的の場所まで移動する。
どこ行ったんだろ。
確かに“アイツ”は、ここにいたはずなんだけど。
ただ歩いて、辺りを見回して。
エレベーターの前まで来た時、きっと上のフロアに行ったんだと思った。
見失っちゃった。
視線の位置を高くすると、光る数字が減っていく。
エレベーターが屋上から、このフロアまで移動してくるのか。
ドアの前にいたら、邪魔になるよね。
翼のところに戻ろう。
そう思いあきらめて、ほんの少しだけ踏み出したのに。