ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「きゃっ」
その“ほんの少し”踏み出したことで、うしろにいた誰かとぶつかった。
「ごめんなさい」
言葉が先に出て、その後で顔を上げる。
「───あっ」
「俺をつけるとは、いい度胸だ」
低く冷めた声。
あたしがぶつかったのは、他の誰でもなく、
「あ.あのですね、」
追いかけていた“アイツ”本人。
あまりの近さに驚いて、後退りする。
「いいいいい.いつからっ!
いつから、うしろにいたの?」
「ずっといた」
後退りするのに、距離は全く変わらない。
せっかく広げた距離を、目の前の“アイツ”が縮めちゃうからだ。
「おまえの尾行は、はっきり言って下手すぎて話にならない」
「別に、尾行してたわけじゃ」
「なんの用か早く言え」
響くように静かに怒鳴る。
正直、今まで会った誰よりも怖い。
でも、こんなヤツには絶対負けたくない。