ケンカ上等☆不良校上々↑↑
てゆーか、負けないんだから!
「な.名前、名前を教えなさいよ」
それが1番知りたくて、ずっと聞きたかったこと。
“アイツ”は相変わらず怒ったような顔をしてる。
「どうして俺が、おまえに命令されなきゃいけない」
「いいから答えてよ」
互いに睨み合ったまま、どちらも決して退こうとはしない。
面倒くさいヤツだ。
あたしだって、ここであきらめたら負けた気がして嫌なのに。
ふと、絡んでいた視線同士がほどけた。
あたしを見下ろしていた“アイツ”が何かを見るように顔をあげたから。
「ちょうどいいな」
そう呟くように言って、怪しい笑みをみせる。
「ななな.なによっ」
ずいぶんと縮んでいた距離を“アイツ”はさらに縮めようとして。
これは危険だと、あたしの何かが告げて無意識のうちに後ずさる。
「ちょっと待って、近いってば」
言葉とほぼ同時、必死の声を消すかのように、背後で機械音がした。