ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「名前が知りたいなら入れ」

「え?あっ、ちょっと!」



さっきの音はエレベーターのドアが開く音で。

中から、あたしたちを避けて数人が出てくる。


変な誤解されてませんよーに!




その最中、迫られて逃げ場を失ったあたしは、押し込められるようにしてエレベーターの中へ。



不運と言うべきか、なんと言うべきか。

ドアが閉まって、あいにく2人きりに。





「教えてやる」


───ダンッ



声と共に、顔のすぐ横の壁に“アイツ”の手がぶつかる。


見下ろしてくる“アイツ”の前髪がもう少しで、あたしに触れそう。

あの印象的な赤い髪。



なぜか、たった今壁へと追い込まれているんですが。


この状況、もう逃げられなくなっちゃったよね。





「俺の名前は仁。黒崎仁。
おまえらの敵だ」

「え?敵?」



黒崎仁(クロサキ ジン)。

何にせよあたしにとって、あなたは要注意人物なのですが。


敵と言われ、ますます警戒心が強くなった。






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