ケンカ上等☆不良校上々↑↑
★初雪のち涙
足早に商品棚を通り抜け、出入り口へと向かう途中。
待たせちゃったし、翼怒ってるかな?とか。
小さな子どもみたいに、拗ねてるのかな?とか。
笑顔で話しかけてくれるかな?とか。
不安と期待を交えて、そんなことばかりを考えた。
とことん今日のあたしの頭の中は、翼でいっぱいだ。
今さらだけど、出入り口で待ち合わせって、悪いことしちゃったな。
寒いよね、絶対。
あれだけ手が温かい翼でも、寒いはずだよ。
だって今日は、夜は雪かもしれないって天気予報で言ってたもん。
時々ハズれる天気予報を信じて、外に何気なく視線を向けてみれば。
残念ながら、雪なんて冬を感じさせるものは降ってなくて。
ただただ気温が低くなって、息が白く染まるだけ。
温めるように両手を合わせて店内から出るとすぐ、人影を見つけた。
「翼!」