ケンカ上等☆不良校上々↑↑
別に変なことじゃないのに。
アキちゃんの好きな人は翼だと思ってたし。
翼が優しいことくらい知ってた。
もし翼が、アキちゃんを慰めてたって、アキちゃんを好きになったって。
あたしは何かを言える立場じゃない。
悔しいけど、あたしは翼にとって、ただの友達でしかないから。
数歩下がったところで、不意に目が合う。
あたしが見すぎてたせいか、ただこっちを見ただけなのか。
わからないけど、翼と確実に視線が絡んだ。
反射的に体がくるりと回る。
「───みくる!」
名前を呼ばれたけど、それに反応する余裕すらない。
胸が苦しくて。
痛くて。
どうしようもない感情でいっぱいになって。
2人をこれ以上見ないように、走って距離を取る。
できるだけ早く、ここから遠くに行きたかった。