ケンカ上等☆不良校上々↑↑
頭中に響く翼の声。
それを掻き消すように、走って、走って走って。
ひたすら前に進むだけ。
迷いもなく、ただ真っ直ぐに。
飾られた街を駆け抜けて、灯りの少ない路地に入る。
さっきまでの賑やかさは、嘘のように存在しない。
心にはぽっかり穴があいて、独りぼっちな気持ちに染まっていく。
ヤダ。
もう嫌だよ。
さっき見たことは忘れなきゃ。
嫌だ………。
知らず知らずのうちに、目から滴が幾度となく溢れ零れる。
アキちゃんの言葉に、翼が何て答えたのか気になって。
考えたくなくても、考えを止めることは不可能に近い状態だった。
我慢するのはやめよう。
今は、思いっきり泣いちゃえばいいんだ。