ケンカ上等☆不良校上々↑↑
しばらくの間、そのままでいて。
涙が少しだけ落ち着いた頃、あたしはよろよろと立ち上がった。
芽咲の家に行かなきゃ。
きっと、みんな心配してるよね。
しゃがんでいたのと泣き疲れたのとで、うまく歩けない。
でも翼は、もう心配なんてしてくれないのかな。
それでもいっか。
それが当たり前なんだから。
「おい、おまえ、仲間のとこに戻ったんじゃなかったのか?」
「ひゃあっ」
突然強く肩を掴まれ、バランスを崩したまま抱き寄せられた。
驚いて顔をあげると近くに仁の顔があって。
「なんで、ここにいるのよ」
震えた声で尋ねると、怪訝な表情をされる。
泣いてたことを悟られたくなくて、すかさず顔を伏せた。
「おまえ……泣いてんのか?」
俯いたあたしの顎を持って、無理矢理顔をあげさせる。
「関係、ないじゃん」
仁の手を押し返そうとしたけど、手まで震えて力が入らない。
それどころか近くに感じる温もりに、安心してる自分がいる。
なんで、よりによってコイツなんだろ。