ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「おい、よく聞け。
離れてなんて言われて、素直に離れるヤツがどこにいる?」
はい、そーですよね。
その通りなんだけど。
「せめて顎を掴む手を離してよ。
ずっと上向いてるのつらい」
ひと時でも、仁の温もりに安心した自分を今責めたい。
ふと、合っていた瞳がどこか遠くを捉えた。
「チッ、邪魔が入りやがった」
イラついた感じでそう言うと、すんなりとあたしから距離を取っていく。
邪魔って、何?
「続きはまた今度だ。
おまえは早くここから離れろ」
「え?どういうこと?邪魔?」
「黙れ。いいから、どっか行け」
ど.どっか行けって。
そんな急に今度は引き離されても困るよ。
佇んで首だけを左右に動かすあたしを見て、仁が再び距離を埋める。
それから一定の方向を指差して、耳元で普段より優しい調子で囁いた。
「あっちへ真っ直ぐ行けば大丈夫だ。
安心しろ」