ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「約束してやる。必ず会うと」
互いの指に負けないくらい冷たいものが触れて。
右手の中指に、暗闇の中キラリと見えた光。
「次に会った時に返せ。
万一失したら代償におまえをもらう。
ほら、さっさと行け」
焦りと苛立ちと、いつになく真剣さを含む仁の雰囲気に、もう逆らえそうにない。
この瞬間、¨約束¨の印に渡されたのは輝くシルバーリング。
「早くしろ!!」
怒鳴り声に反応したあたしは、抵抗したい気持ちを隠して走り出した。
仁が一体何を考えているのか。
どうして、あたしは走らなきゃいけないのか。
問題は1つも解決できそうにない。
それから、どこに行けばいいのかわからない。
芽咲の家に行ったら、みんなで歓迎してくれるかな?
翼とアキちゃんは、一緒にいるのかな?
ちょっと時間ができれば、すぐ翼の顔が脳裏に浮かぶ。
相当重傷だな、あたしの心。