ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「約束してやる。必ず会うと」



互いの指に負けないくらい冷たいものが触れて。

右手の中指に、暗闇の中キラリと見えた光。



「次に会った時に返せ。
万一失したら代償におまえをもらう。
ほら、さっさと行け」




焦りと苛立ちと、いつになく真剣さを含む仁の雰囲気に、もう逆らえそうにない。


この瞬間、¨約束¨の印に渡されたのは輝くシルバーリング。



「早くしろ!!」



怒鳴り声に反応したあたしは、抵抗したい気持ちを隠して走り出した。








仁が一体何を考えているのか。

どうして、あたしは走らなきゃいけないのか。


問題は1つも解決できそうにない。



それから、どこに行けばいいのかわからない。


芽咲の家に行ったら、みんなで歓迎してくれるかな?

翼とアキちゃんは、一緒にいるのかな?


ちょっと時間ができれば、すぐ翼の顔が脳裏に浮かぶ。




相当重傷だな、あたしの心。






< 310 / 541 >

この作品をシェア

pagetop