ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「今は落ち着け。な?」
あたしの両肩を掴んで、優しい口調で話しかけてくれる。
けど、そんな言葉も今は耳に入ってこない。
「…っ好き…」
相変わらず力を抜かないあたしに対して、翼は無理矢理離すようなことはしなかった。
背後にあった建物の壁に、もたれるように座り込んでいくだけ。
あたしも離れないように、しがみついたまま、しゃがんでいく。
いつまでも離さないあたしに呆れたのかな?
頭上からため息が聞こえた気がした。
「ったく‥しょうがねぇな。
泣きやむまで付き合ってやるよ」
不思議と口調は、予想してたのより、ずっと優しい。
それに答えるように、あたしは力いっぱい抱きしめた。
翼はあたしの頭にポンと手のひらを乗せて。
声を押し殺して泣き続けるのを、慰めてくれる。
「離れたりしねぇよ。
だから安心して思いっきり泣け」