ケンカ上等☆不良校上々↑↑
さっきから、無意識にため息ばかり。
「ま、のんびり解決してけばいいんスよ。
慌てて失敗しちゃったら意味ないし」
ね?と歩夢は歯を見せて笑う。
「うん、そうかもね」
そのうち、答えのヒントとか出てくるかもしれない。
それまで気長に待つのも、結構悪くない、かな。
「なーんか、いろんなことが立て続けに起こってるって感じっスね」
「確かに」
大きな原因は、たぶん自分なんだろうけど。
「あ、」
ふと隣で声がして横を見ると、それと同時に何かが落ちた小さな音がした。
それはあたしの足下にあって、おそらく歩夢の所持品。
定期入れ?
よく見ると学校でもらう身分証明書が入れてある。
拾おうと手を伸ばした瞬間、
「ちょっと待っ───」
歩夢がなぜか慌ててたけど、気にせずにそれを拾った。
「写真でも変わらないね、歩夢って」
証明書に貼ってある顔写真を見て、ちょっと羨ましくなる。
あたしなんて、写り悪すぎて大変なのに。