ケンカ上等☆不良校上々↑↑
『ちょ〜ど高校受験とかで周りが必死になりだした時でさ』
思い出すように、ひとつひとつ言葉を紡いでいく。
『オレも芽咲も、それなりには勉強してたのに、翼だけ遊びまくってて』
「うん、」
『偶然、日本に帰って来てた彩音ちゃんと会ったらしいんだ』
さっきから、あたしの鼓動は速くなるばかり。
上半身を起こして、揺れるカーテンを開けると、予想以上に光は眩しかった。
『会ったってことしか聞いてないから他は知らないんだけど』
「そっか」
自分でも信じられないくらいか細い声が出る。
何だかわからない感情に押し潰されそうだった。
『あと、翼が彩音ちゃんのことで反応するのには原因があってさ』
「原因?」
『小さい頃に彩音ちゃんにケガさせたこと、ずっと気にしてるんだよ』
一瞬、ズキッと胸の奥に衝撃が走る。
あたしは本当に、何も知らない。
何も知らないんだ。
ごめんね、翼。