ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「仁くんが、こんっっっっっっな」
あのー、めっちゃ今ためてません?
「かっこいいなんて、私聞いてない!!」
「へ?」
真剣な芽咲に対して、返す言葉が浮かばない。
しかも、すでに芽咲の手はあたしの肩を外れて。
「初めまして★
後藤芽咲って言います」
仁の両手を握っちゃってるし。
絶対、セリフの語尾にハートついてるよ。
「芽咲には白石がいるじゃないっスかぁ」
呆れモードな歩夢に言われるものの、芽咲は変わらず1人だけを見てる。
「仁くん、みくるには翼がいるから、いっそ私と───」
「断る」
仁、即答。
「芽咲も白石も、なんで堂々と浮気しようとするんスか」
やってられない、と歩夢は仁の腕を放して芽咲を引っ張り始めた。
「歩夢、服が伸びるでしょ」
「それより、早く仁先輩を俺の家まで運ばなきゃっスよ」
「あっ、そうだったぁ」
「思い出したなら、さっさと動く!」
歩夢に促されて部屋を出て行く芽咲。
再び、自室にはあたしと仁の2人きり。