ケンカ上等☆不良校上々↑↑
何なんだろう。
あの賑やかさは。
2人が出て行った後、静まった部屋で深々と考えさせられた。
「行くぞ」
座ったままのあたしの腕を引いて、仁は歩き出そうとするから。
「傷は?平気なの?」
さっきから、ずいぶんと動いてたけど。
「どこも痛くない?」
心配して聞くと返事は一言。
「治った」
「本当に?」
あんなヒドい傷だったのに。
「俺の自然治癒力をなめるなよ」
「なによ、それ自慢?」
ちょこっと笑って言い返すと、こっちを向いた仁と絡んだ視線。
別に文句を言うわけでもなく、ただ笑顔が向けられた。
大袈裟な笑顔じゃない。
かすかに笑っただけ。
「仁の笑顔、初めて見た気がする」
「俺は今までも笑ってた」
「でも、ちゃんとした笑顔は初めてだよ?」
嘘偽りない笑顔。
妖艶とかじゃなくて、純粋さを初めて見た気がした。
きっと、これからも見れるよね。
みんなの笑顔。
「ねぇ仁、もし、居場所がないんなら……あたしたちの仲間にならない?」