ケンカ上等☆不良校上々↑↑
職員室に寄ってから、外へ出ていく最中。
「うおぉ〜、今日は芽咲に会えないじゃ〜ん」
ケータイの画面を見ていた太陽は、大袈裟に頭を抱えた。
「仕方ない。
今日はみくるちゃんを送っていこうではないか」
よくわからない口実と一緒に、瞬時にあたしの隣へ。
詳しく事情を聞くと、芽咲はお姉さんと外出するんだとか。
下校デートが日課な太陽には、相当大きいショックなはず。
「いくらオレでも、姉妹の邪魔はできないしな〜」
そんなわけで、暇な太陽はあたしを家まで送ってくれるらしいんだけど。
「今日は賑やかになりそうだね」
「あぁ」
いつも通り、ちょっとうしろを歩く翼はほぼ口を開かない。
今まで、どれだけ気まずい雰囲気になったのか。
それでも、翼はあたしを1人で帰してはくれなかった。
どんな時でも送ってくれるのは、きっと偽りない優しさで。
ただ、優しくされた分だけ期待しちゃうからツラい時もある。