ケンカ上等☆不良校上々↑↑
だから、すぐに仁も場の空気に溶け込めたと感じていたのに。
「殺れるものなら殺ってみろ」
「死んでから後悔すんじゃねぇぞ」
険悪なムード。
こんな大通りでケンカされたら大問題だよ。
「あーもう、翼先輩も仁先輩も場所を考えてください!」
即座に、仲裁に入ったのは歩夢。
2人の間に割り込もうと必死だ。
「アユは引っ込んでろ」
唸るような仁の声に一瞬歩夢が凍った。
付き合いが長いからなのか、仁は歩夢をアユと呼ぶ。
それは最近発覚した事実。
翼の¨チビ呼び¨よりは断然マシか。
「ね、ね、みんな、あそこが新しくオープンしたカフェだぜ〜」
どこから取り出したのか、チラシを持って騒ぎ出した者1人。
「割引券あるから寄ろう〜」
睨み合っていた2人の視線は太陽へ。
しかも、眼光の鋭さはそのまま。
「邪魔すんじゃねぇよ」
「いいじゃん。
翼も暇っしょ〜」
文句を気にせず、太陽は翼と仁の間に入って肩を組む。