ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「みくる、紅一点っスね。
獲物はいっぱいいるけど、1人に集中しないと逃げちゃうっスよ」


言ったあとで、楽しそうにわざと舌を出す。


ひょっとして今、あたし、からかわれてる?




「みくるちゃん、鈴野、早く〜」


お店の入り口で手招きする元気な声。



「ごめんごめん、今行───っ」

「今日は白石の奢りっスよねー?」



今行くよ。を言おうとした瞬間、左手を歩夢に取られて言葉が止まった。



「えぇ〜、オレ貧乏なんだけど〜。
じゃなくて!鈴野、ちゃっかりみくるちゃんと手繋ぐな」

「ナイスノリツッコミっスね」

「いや〜それほどでも〜。
…じゃなくてさぁ〜!」



そのまま歩いていくと、強引に太陽は繋がれた手を引き離そうとする。


それに負けじと歩夢も握る手に力を込めて。




「犬は犬小屋に帰れ〜。
しっ、しっ」


振り払う仕草を繰り出す太陽に、


「翼せんぱーい、隣座っていいっスか?」


華麗にスルーする歩夢。




あたしは、どうすれば?






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