ケンカ上等☆不良校上々↑↑
未だ座ったままの仁に声をかけると、
「いや、まだここにいる」
てっきり一緒に帰るもんだと思っていたから、再度聞き直したものの、結果は同じ。
果たして、お店が気に入ったのか、一緒に帰りたくないのか。
よくわからないけど。
「じゃあ、またあとでね」
無理矢理一緒に帰るのも、なんだか違う気がしたから。
軽く手を振って、落ち着いた店内をあとにした。
ガラスを越えて、また人が賑わう屋外へ。
室内にいた時間は、どのくらいだったんだろ?
大いに騒いだ割には、時間で見たらけっこう短そう。
ただ、下校時の寄り道だけあって辺りは薄暗い。
「どうしたの?」
これで何度目なのか。
さっきから、前を歩く2人が幾度とこちらを振り返っている。
あたしたちの様子を窺っているんだと思うけど、振り返り方がちょっと不自然で。
「別に〜。今日もいい天気だね〜」
「そっスねー」
「もうちょっとで真っ暗になっちゃうけどね」
誤魔化すのが極端に下手。
嘘だって、すぐにわかっちゃうくらいに。