ケンカ上等☆不良校上々↑↑
きっと素直ってことなんだよね?
プラスに言い換えればさ。
嘘は上手につけないほうがいいもん。
そのほうが、本当のお互いを早く理解し合える。
「ねぇ、翼……」
しばらくして、前からの視線が消えたことを確認の上歩調を遅めた。
「ん?」
そのあたしの歩調に合わせて、スピードを落としてくれる翼。
いつもと変わらない。
その声も、優しい表情も。
全部、あたしの好きな翼だ。
………ズルい。
「聞きたいことがあるんだけどね」
絞り出した声は、あまりにも情けなくて。
本当に、ズルいと思う。
突き放すなら、とことん突き放してほしいのに。
「翼は、彩音さんのこと……好き、なの?」
中途半端に優しいから、あきらめきれなくて。
自分を見てくれてない、ってわかってても追いかけるしかなくて。
「………彩音は、幼なじみっつーか」
「嘘、言わないで。
あたし知ってるよ?
翼がずっと指輪つけてたこと」