ケンカ上等☆不良校上々↑↑



儚い期待に身を寄せてしまうほどに、今は願うことしかできない。



「放課後、寝言で¨彩音¨って言ってたことも」


こんなことを聞いて、好きなんて言われたら、それこそショックなのに。




「寝言?」

「それとも、好きとか関係なしにケガさせたの気にしてるだけ?
まだ自虐すれば罪が消えるって思ってるの?」


聞き返されたのを無視して、質問を重ねる。




指輪を渡した日に言ってた。


“モノで自分を縛りつけてれば罪が消えんじゃねぇかって思ってた”


あの時は意味なんて全然わかんなかったけどね。



“けど、それって結局は自己満足なんだよな。
なんも変わんねぇ”


今ならわかるよ。




「なんで、おまえがそんなこと知ってんだよ」


予想通り、ますます翼は困った表情になって。



「ねぇ、もしケガさせたこと気にして自分を縛り付けてるなら」


だけど、聞きたいことも伝えたいこともありすぎるから。


「もう、がんばるのやめなよ」


相手の表情も、言葉も、考えてなんかあげない。





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