ケンカ上等☆不良校上々↑↑
腕に力が入って、ぎゅっと抱きしめられる。
「……っなに?」
ようやく出せた声は予想以上に震えてて。
「何がなんでも、守られとけ。
絶対に無理すんな」
いつになく真剣なその口調が、不思議と重さを含んでいた。
ただ、話題の1番重要な部分が見えてこない。
翼の優しさは痛いほど理解できるのに、妙に引っかかる。
話の筋が綺麗じゃない。
何か隠されてる?
直感的にそう思った。
「翼、やっぱりがんばってるね」
あたしのこと、わかりやすすぎって言うけど。
「わかりやすすぎだよ?」
翼だって同じじゃん。
「みくるにだけは言われたくねぇよ」
「うるさいなぁ」
少しは気持ち通じた?
存在を確かめるように、あたしは翼に力いっぱい抱きつく。
拒絶なんかさせてあげない。
帰り道、行き交う人が多いことも。
数メートル先を歩いていた太陽のことも、歩夢のことも忘れて。
「翼………っごめんね、ありがっ…と」
未だに涙は零れ続けた。