ケンカ上等☆不良校上々↑↑
何気なく交わす電話での会話。
でも、電話だと通信機器がないと意味がないんだね。
「っ!…みくる!!」
仁の声は、途中からあたしの耳まで届かなくなった。
危険信号を示す歩夢の呼び声と共に、目の前から仲間の姿はなくなって。
ううん、正しくは、あたしが2人のそばを離れたんだ。
「歩夢っ!!」
あたしの叫び声は届いたかな?
知り合いが視界から完全に消えたところで、強引にあたしを引っ張り続ける人を睨みつけた。
見たこともない男の人。
「いきなり何するの!」
大声をあげるものの、相手は答えようとはしない。
行動の乱暴さとオーラからして、味方ではなさそうだ。
「放してっ」
抵抗を試みたって適うはずもなく。
「いっ……」
髪を引っ張られて無理矢理方向を定められる。
「まさかこんなに隙があるとはなー。
うちのリーダーがアンタに話があるってよ」