ケンカ上等☆不良校上々↑↑
足を止めた美弥薇の言葉に、無意識にあたしの手が動く。
───バチンっ
鳴り響いた痛み。
そして驚きによる静寂。
「バカなこと言わないで!
あなただって、今はあたしにとって大切な人なの。
自分を犠牲になんて考えないで」
平手打ちしたあたしの手は、わずかな痛みを帯びていた。
きっと、美弥薇の頬はそれ以上に痛かったと思う。
「ったく、仕方ないわね。
アキもここに残るわよ。
さっさと笹倉運んじゃって」
「それなら、私も残ります。
私にも、できることはあるはずですから」
土手の上から2人の声がする。
車はアキちゃんが言った通りに、恐らく病院に向かった。
美弥薇はあたしを見直すと、笑みを浮かべる。
「一緒に、止めましょう」
それだけで十分だった。
「みんな……」
涙を堪えてつくった笑顔。
「助けに行こう、仲間を」