ケンカ上等☆不良校上々↑↑
遠慮がちに前に出たのは、あたしの知らない女の子。
眼鏡の。
「えっ!?」
ホントだ。
あたし、ずっと近くにいたじゃん。
確かに最初から、誰だろうとか考えてたけどさ。
まさかな展開だよね、コレ。
嘘なしに、このコが彩音さん?
「申し遅れました。鴇彩音です」
苗字、鴇(トキ)っていうんだ。
なんか、あたしの想像とはかけ離れてる気が。
ほら、だってあの3人の幼なじみでしょ。
こんな丁寧にお辞儀するコとか、思えなくない?
「みくるさんのお話は、お兄ちゃんから聞きました。
ほっとけないくらい───」
「彩音!」
いきなり会話を遮ったのは上半身を起こした翼。
え?なに?
なんで彩音さんのこと睨んでるの?
それに、
「お兄ちゃん、って?」