ケンカ上等☆不良校上々↑↑
首を傾げていると、
「あ、つい癖で。
私、小さい頃から翼先輩のことお兄ちゃんって呼んでいたので」
困った顔に笑みを浮かべて対応してくれる彩音さん。
そーだったんだ。
意外な事実。
でも言われてみれば、彩音さんってあたしたちより年下なんだっけ。
歩夢と同い年…かな?
「で、彩音さん、今何言おうとしたんですか?
ひょっとして、翼が余計なこと言って───」
「言ってねぇよ」
「だったら、なんで遮ったりしたの?」
「おまえに関係ねぇよ」
即答され、苛立った気持ちと切ない気持ちが入り混じる。
「ふふ、みくるさん、幸せ者ですね」
上品に笑って、こちらを見てくる彩音さん。
「幸せ者?あたしが?」
自分で自分を指差して、再確認。
「私、ずっと好きだったのに、お兄ちゃんに振られちゃったんですよ」
え?振られた?
「ヒドいですよね。
私がわざと置いていった指輪まで返されて、告白の返事なしで他の女の子のところに行っちゃうなんて」