ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「アキも、せっかく浴衣着てきたのに砂で汚れちゃった」


何気ないそのひとことで思い出す。



「そっか、今日お祭りだったんだ」



辺りは一面闇が覆う世界。

初めに逃げて海岸に来た時は、まだ少し明るかったのに。


今じゃ真っ暗。




発展した文明社会のために、かすかな明かりがあたしたちを照らしてる。


おかげでみんなが見えるけど、予想以上に空は暗黒だった。





「これだけ暗ければ、きっといい感じに……」


果たして、アキちゃんも暗さに気づいたのか。

空を見上げて、なにやら考えているみたい。



「時間的にも、たぶんこのくらいだったと───」


またアキちゃんが推測を始めたその時だった。





───ヒュー

少し高い音を奏でて天に昇り、


───バンッ

大きな花を咲かせて光を散らす、夏の風物詩。




「綺麗………」


天空からあたしたちを照らす大きな花火。






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