ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「アキちゃん、ヒドいよ。
なんであたしたちのこと呼んでくれないの?」
そうだ。
みんなを呼ぶ素振りをしておきながら、こっちだけ向いてくれない。
「勝手に来れば?」
うっ……どうして、あたしに対して冷たいんだろう。
なんか、ちょっと傷つくかも。
そんな悲しいことを思いながら、立ち上がってから振り返る。
呼んでもらえないなら、こっちから素直に行けばいい。
だから、
「行こ?」
まだ座り込んだままの翼に声をかけたのに、なぜか返答がなくて。
「翼?」
首を傾げると、何かを求めるように手を伸ばしてくる。
「手、貸せ」
「え?」
……ひょっとして、怪我してて立てないの?
少し心配になって、ゆっくり翼の手に重ねた自分の手。
同時にドクンと、また心臓が暴れ始める予兆。
「行こっか」
胸の高鳴りを隠すように、無理矢理笑顔をつくって翼の手を強く引っ張った。