ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「アキちゃん、ヒドいよ。
なんであたしたちのこと呼んでくれないの?」



そうだ。

みんなを呼ぶ素振りをしておきながら、こっちだけ向いてくれない。



「勝手に来れば?」



うっ……どうして、あたしに対して冷たいんだろう。

なんか、ちょっと傷つくかも。





そんな悲しいことを思いながら、立ち上がってから振り返る。

呼んでもらえないなら、こっちから素直に行けばいい。


だから、

「行こ?」


まだ座り込んだままの翼に声をかけたのに、なぜか返答がなくて。



「翼?」


首を傾げると、何かを求めるように手を伸ばしてくる。


「手、貸せ」

「え?」


……ひょっとして、怪我してて立てないの?



少し心配になって、ゆっくり翼の手に重ねた自分の手。

同時にドクンと、また心臓が暴れ始める予兆。



「行こっか」

胸の高鳴りを隠すように、無理矢理笑顔をつくって翼の手を強く引っ張った。






< 530 / 541 >

この作品をシェア

pagetop