マジックストーン
第1章

新たなターゲット



 ちらほら雪が降る季節。

 学校の元部室を私物化し、そこから外を覗く。

 ソファーも大小あわせて二、三個。

 授業はほとんどサボらないけど、ね? ほら、さ。息抜きって大切でしょ?

 ただ、俺の場合、その息抜きが気持ち良さに走っちゃってるんだけなんだけど。

 それに意外とこの教室、声も漏れにくいし、鍵も付いてる。それに他の教室から離れてる点、何かと便利なんだよね。

 女の子も安心して乱れられるでしょ?

 ほら、ね。

 相変わらず俺の携帯は、女の子の名前を映し出すんだよね。

 シカトしてもまた何度もかかって来るだろうから、渋々通話ボタンを押した。

『ショーヤ?出るの遅いよぉ』

「ごめんね?」

『いいよぉ〜。ねぇねぇ、今からしない?』

「するって何を?」

『分かってるのに言わせる気なのぉ?』

「あはは。そうだね。じゃあ、いつものとこにいるから来てよ」

『うん。すぐ行くぅ』

 名前と顔が一致しない女の子との電話を終え、窓に寄りかかり天井を見つめる。

 まったく、甘ったるい声。

 普通にしゃべれないのかな?

 まぁ、いいけど。

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