マジックストーン
「ねぇ、優衣。新学期だよ?なんか、楽しみじゃない?」
「えぇ…そうかな?もしかしたら、梨海ちゃんとクラス離れちゃうかもなんだよ?」
「大丈夫よ。その辺は、職権乱用よっ」
『職権乱用』って……。
まぁ、梨海ちゃんのお父さんが私達の通うこの学校の校長先生だから、確かにそうなんだけど。
梨海ちゃんに似てって言ったら失礼かな?
とにかく変り者の校長先生。
例えば、生徒会役員は指名制度とか。
行事なんて、数えきれないくらいある中で、やりたいのを三つあげるとか。
あとは……。
ありすぎて思い出せないや。
とにもかくにも、変り者の校長先生の下、この学校で過ごした1年が過ぎ、2年目に突入したところ。
ローファーを下駄箱へしまい、新品の上履きに履き替え、2年生の校舎に向かう。