マジックストーン
「神崎先輩試合出ないんですか?」
「え? 出てほしい?」
キョトンとした神崎先輩の声に「はい」と返した私。
「じゃあ、出るかな」
ニッコリと優しい笑顔を向けた神崎先輩を引っ張る佐竹先輩。そんな二人の先輩の背中を追って体育館に向かった。
神崎先輩達の相手は同じく三年生のクラスで。決勝だけあって、やっぱり強い。
それでも、勇先輩からのパスで神崎先輩が得点とか、すごくチームワークが良くて、最終的に神崎先輩のクラスが優勝した。
「おめでとうございます」
「優衣ちゃんありがとう」
ぎゅっとされてちゅっとされた私は、必死に神崎先輩から離れる。
「忘れたとは言わせないよ? 優勝のご褒美のデート。してくれるよね?」
子供のように微笑む神崎先輩は、私の頭を撫でてから再びふわっと抱きしめた。