マジックストーン
「黒縁眼鏡のスーツが似合ういい男なんでしょ?珍しく長く続いてる彼」
「タカジも早くいい女捕まえれば良いじゃない。ま、合コン好きのバカを本気で好きになる女なんてそうそういないだろうけど」
「ひどいなー」なんて言いながらけたけた笑うタカジくん。それから二人で色んな話をしてたけど、私にはさっぱりだったの。
「――ってことだから。よろしく」
「いくらなんでも難し過ぎ。おれのこと情報屋と勘違いしてね?いくらなんでも合コンでそんなんわかるわけねーつうの!」
深く息を吐いたタカジくんはがっくりと肩を落としながら、自分の席に戻っていく。
それを確認して梨海ちゃんにちょこちょこと近づいて、制服の裾を引っ張った。
「ねえ、梨海ちゃんなに頼ん――」
「秘密」
そ、即答っ!? もしかして私が何聞くか分かってたのかな?! じゃあ、梨海ちゃんってエスパーとか宇宙人のお仲間だったりして?!
ていうか! だったら今までずーっと隠してたの?……それを小学校から見抜けなかった私ってもしかしてトロい?!
「なーに脳内で焦ってんのよ」
ででで出たぁあああっ!!!!