マジックストーン
文化祭はピンチの始まり
◇◇◇
「まじお願いだから出てきてくれよっ」
「どこにいるんですかーっ?」
「写真撮ろうよおーっ」
声が近づく度にどくんどくんと心臓が騒ぎだした。
思わず音を立てそうになってひやっとする私はもう限界っ。
――ことの始まりは昨日、文化祭一日目に起こった
◇◇◇
文化祭一日目は校内発表で一般公開は二日目。その校内発表である今日は相変わらず高いテンションでクラスは盛り上がっていた。
……本当は仮病でもなんでも休むつもりだったのに、案の定、梨海ちゃんが私のお家にお泊まり。
引きずられるように学校に来たの。来るんじゃなかったって激しく思うのを知らずに。
学校に、教室に着いた途端、私は梨海ちゃんとチヒロちゃんの手によって、あっけなくメイド姿になってしまった。
目がいい私に無理やり黒縁眼鏡をかけさせるし、猫耳もつけてみたりとやりたい放題。
「もおー、遊ばないでっ」
半泣き状態の私は梨海ちゃんを睨んだ、のに。
「涙目で睨まれても怖くないから」
鼻で笑う梨海ちゃんの後ろから飛び出したのは、執事なタカジくん。