マジックストーン
「やべーやべー。ちょーカワイイ!! おれ、まじで息子が元気にな――ぶはっ!!」
タカジくんを殴ったのはもちろん梨海ちゃん。
「元気になったら握り潰してあげるわ」
にこりと笑った必殺梨海ちゃんスマイルはどうやらタカジくんではなくてその周りにいた男の子に効いちゃったみたい。
だって胸を押さえて倒れてくんだもん。
「り、梨海ちゃんっ!握り潰しちゃダメだよっ」
ぎゅっと梨海ちゃんの細い腕を掴めば、上から重いため息が降ってきた。
けれどすぐに「そうね」と笑顔の梨海ちゃんが私の頭を撫でる。
「タカジくんってパパなんだねっ」
梨海ちゃんを見上げて笑った後、タカジくんに笑顔を向けた。
「……は?」
意味が分からないといった様子のタカジくんの両手を握って私は首を傾げ「タカジくんはパパじゃないの?」と問い掛ける。
「なに、いってるの?」
なぜか質問に質問が返ってきた。タカジくんのポカーン顔付きで。
「なに言ってるのって……え?だって、さっきタカジくんが――」
息子が元気になるって言ったよね?と言おうとして背中が、体が何かに包まれた。
「俺以外の男と話しちゃ嫌」