マジックストーン
帰国子女はライバル?!
◇◇◇
「まきぃー! おはよぉぉっ!」
両手を広げ、廊下を猛ダッシュして、舞希ちゃんにタックルするのはお団子の似合う梨海ちゃん。
「舞希ちゃん、おはよっ」
梨海ちゃんに続いて声をかけたのは私。
「梨海、優衣、おはよっ!」
そして、真夏の太陽みたいに笑うのは相川舞希ちゃん。舞希ちゃんは、肩に少しつくくらいのチョコレート色の髪の毛(地毛なんだって)で、身長は私と梨海ちゃんの間くらい。笑うと可愛くて、真剣な表情の時は、柔らかいんだけど綺麗なの。
そんな舞希ちゃんは中学入学と同じ時から今月の中旬あたりまで、アメリカで生活してた。
何故、アメリカで過ごしていたか……ううん。“過ごさなければいけなかった”かは、簡単。
私たちが小学6年生の時、舞希ちゃんに起こった事件の所為。
「舞希っ! 同じクラスよっ! まじ嬉しいっ!」と梨海ちゃん。
「舞希ちゃんおかえり。やっと日本で暮らせるね。 私、嬉しいっ。舞希ちゃんと一緒に高校通えるなんて……」と私。
何回かアメリカに行ったりはしたけど、やっぱり5年ぶりに一緒に学校に行けるのはすごく嬉しい。