マジックストーン
「あ、って何さ!! もしかして、啓輔と屋上で密会?!」
「ちがっ……そうじゃなくて! その――」
「椎葉はお前に用があるんだとよ」
「えっ?! もしかして告白?! 嬉しいなー。俺、やっと優衣ちゃんと幸せになれるんだね! 恐がらなくていいよ?『神崎先輩が好きです』って言ってくれれば、俺はもう即答でプロポーズしてあげるからっ」
え?! ぷっプロプロポっ?!!!
「告白じゃありませんっ」
「……そんなはっきり言わないでよ。さすがの俺だってちょっとは傷つくんだから……。だって、半年越しの想いがやっと叶いそうで……」
ぶつぶつと、何故か口を尖らせて言う神崎先輩。それを見た岩佐先輩は立ち上がって、神崎先輩を蹴った。
「いっ!!!!」と痛がる神崎先輩なんてお構いなしに、とっとと屋上を出ていく岩佐先輩。
「ホント、暴力的だよね。これだから最近彼女が出来ないんだよ」
「岩佐先輩、彼女いないんですか?」
「いないみた……え? まじで優衣ちゃん啓輔に興味があるの?!」
「ちっ違いますっ」
ぶんぶん首を横に振る私を見て、よかった、と呟く神崎先輩が、なんだか可愛かった。