マジックストーン

 風に吹かれて踊る髪の毛を耳元で少し押さえる。神崎先輩も風が気持ちよかったのか、風下を向いた。

 くっきりとした二重で睫毛が長い。それに、鼻もすっと通っているし、肌がきめ細かそう。

 じっと神崎先輩の横顔を見れば、神崎先輩がモテる理由も分かった気がする。なんだか、この人かっこいいんだな、って思っちゃった。

「そんなに見られたら、穴開いちゃうかも。まあ、優衣ちゃんに開けられる穴なら大歓迎だけどね」

 語尾に星が飛びかう言葉に、じゃなくて、そんなことを言ってるように思えない優しくて甘い笑顔に胸が高鳴った。

 うあ……すごい、どきどきする。

「優衣ちゃん。今、すっげーチューしたい。 だめ?」

「だ、だめですっ!!」

 ふいっと、さっき、神崎先輩がしてた様に風下を見る。そして、少し経ってから、ちらりと横を見てみた。

「けちだな〜」

 一つ。 目が合っただけで、ドキドキする――

「っ!!」

 ――クリア、かな?

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