マジックストーン
「あれ?梨海ちゃん、ヤキモチ?」
「笑わせないでもらえません?あたしが、どうして神崎先輩にヤキモチ妬かなくちゃならないんですか。そこら辺の女と一緒にしないで下さい」
「はいはい。ごめんね、で?」
「まったく。ところで、神崎先輩は優衣のこと、どう思ってるんですか?」
「どうって……。もちろん、好きだよ?」
疑いの眼差しで、俺をじとっと見つめる……いや、睨み付ける梨海ちゃん。
「そうじゃなくてっ!その“好き”は、本気なの?!それとも、他の女と同じ“好き”なの?!」
「本気、だよ?」
「あたしにはそうとは思えない。
――あんなにセフレ作っといて、何が好きよっ。……それに、神崎産業の一人息子がどうしてっ……」
「さっすが。調べた?それとも知ってた?校長の愛娘だもんね、梨海ちゃんは」
日本のトップを争う総合商社の神崎産業。
俺は、そこの長男で一人息子。
どう考えても跡継ぎだし金持ちだから、結構大変。
まぁ、この学校はそんなに金持ちが集まってるような学校でもないし、俺以外に『神崎』さんは5人くらいいるかな?
だから対して被害を被ったりしないからまだ楽なんだけど。