マジックストーン
「それ、本気で言ってますか?」
「当たり前。俺は優衣ちゃん一筋で生きていくよ」
「……はぁ。信用は出来ないです、もちろん。でも、本当に本気で優衣のことが好きならば。……協力くらいしてあげますよ?」
「おっ。それは、心強いね」
「その代わりっ!!きちんと優衣の気持ちが聞けるまで、絶対に優衣を抱かないでください」
今度は睨むのではなく、信頼の眼差しで俺を見つめる梨海ちゃん。
そのくらい、対した問題じゃないでしょ?
「いいよ。じゃあ、俺からもお願い」
「何ですか?」
「家のことはまだ言わないでくれる?そういうことと関係のない、恋愛をしてみたいんだ。時期がくれば自分で言いたいし」
「さらさら言う気はありません」
「じゃあ、俺はオトモダチのアドレス全部消そうかなっ」
「オトモダチって……。携帯、買い替えることをお薦めしますけど」
「そうだね」
くすり、と笑った梨海ちゃんはどことなく大人っぽくて。
でも、見たことあるその笑みと性格に眉を寄せた。