マジックストーン
ビクビクしている私の隣で、すでにその場に座り、購買で買ってきたパンを食べる梨海ちゃん。
えっ、えっ、えっ?!
なんでそんなに冷静にご飯なんて食べられるんですかーっ!!
「りりりりっ!!」
「優衣、うるさーい。立ってないで早くご飯食べなよ」
「だって、だって、だってっ!」
座ってご飯を食べてる梨海ちゃんから離れないように、神崎先輩と金髪の人を交互に見る。
……容姿は神崎先輩の方が上、かな?
でも、金髪の人も負けず劣らずの顔立ちをしてるとは思うけど。
私の“基準”なんて、全然頼りにならないくらい乏しいからなぁ。
「優衣ちゃん、梨海ちゃんに紹介するねっ」
にこにこしながら私たちに近づいてくる神崎先輩と金髪の人。
ど、怒鳴られたらどうしよう。
「俺の親友の岩佐啓輔。こう見えても結構良い奴だから、よろしくね」
「てめぇに『結構良い奴』って言われても嬉しくねぇんだよ」
「はじめまして。七瀬梨海です」
「し、椎葉優衣ですっ」
梨海ちゃんに続けと言わんばかりに自己紹介を済ませた。
「じゃあ、食べよっか」と神崎先輩に言われてから、お弁当を取出し、少しずつ口に運ぶ。