マジックストーン

「だったらもう少し静かに登場してもらえません?」

 にっこりと綺麗な顔に張り付けた笑顔は厭味増量中って感じかなあ。

 梨海ちゃんってしゃべんなきゃ、スタイル良いし顔立ちだって日本人離れしてるから結構綺麗だし。

 まあ、しゃべっててもモテるもんはモテるんだろうけど。

「しょうがないじゃあん?」

 ふんっと冷たい返事をした梨海ちゃんは教室の奥へと戻っていった。

 優衣ちゃんでも呼びに行ってくれたのかなあ? なんて自分で行ってもいいんだけど、あいにく携帯が震えちゃってさ。

 画面には知らない番号。うーん、誰だろ。携帯買い替えて番号も変えたからなあ。それにオトモダチのも消したし。ってことは誰かが俺のケー番売ったなあ?

「はーい。だれー?」

『ひっどーい!祥也ったらケー番変えたのに、どうして教えてくれなかったのぉ?』

 語尾が伸びるなあ。誰だっけ?

「とりあえず名前は?」

『アヤですぅ。なんで分かんないのぉ?つかさぁ、今からいつものとこ行くから祥也も来てぇ』

 いつものとこって、俺が私物化してたソファーが置いてある教室みたいな部屋。

 そういえばよくそこで、激しい運動してたよね。

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