マジックストーン
「梨海ちゃーん!」
「うわ! びっくりするくらいビブスが似合わないわね」
ニカッと笑う梨海ちゃんは私の頭をぽんぽんと撫でた後。
「さっ!3年だからって負けないんだから!」
パンパンっと手を叩いて、メンバーの子とハイタッチをしていく梨海ちゃん。
オレンジと茶色の中間色のボールが宙を舞いゲームスタート。
ボールの弾む音とシューズが擦れる音が心地よいほどに体に響く。
「はい!優衣っ!」
飛んできたボールをしっかりと両手で掴み、リズムよくドリブルしゴール手前までやってきた。
さすがにシュートはできない。そう思って周りを見ると、ちょうど私の反対側に梨海ちゃんが、両手を広げていた。
ワンバンで梨海ちゃんにパスすれば、スリーポイントシュート。
わあっ!と盛り上がってから、私は交代し、応援に回った。
茶髪に巻き髪の梨海ちゃんは、見た目と違って(なんて言ったら失礼なんだけどね?)中身はしっかりしてるの。
実際、こうやってスポーツは得意だし、学年で1番になるくらい頭だって良い。それに、今月で半年になる年上の彼氏さんだっているの。