黒髪マドンナ
なつ
夏まっただ中の8月中旬。
あたしは連日の飲み過ぎにあっけなく体調を崩した。
ただいまの室温は28度越え、耐えられない。
朝までバカみたいにアルコールに浸り、太陽が高くなり蝉が鳴き始めた頃に寝る。
気がつけば夕方。
グダグダとテレビと向かい合いくだらない番組に視線を送りながら友達や先輩の宅飲みの誘いを待つ。
お酒がそんなに好きなわけじゃない。
ただお酒の力によって与えられる一瞬の解放感があたしは好きだったんだ。
飲んだ後ならなんだってできる。
気持ちが大きくなった小さな自分。
心のどこかで冷やかにそんな自分を見つめながらもあたしはまた一杯お酒を口含む。
大学1年生の夏は親に顔向けできないような生活を平気で毎日していた。
お母さん、お父さんごめんなさい。
そんな生活でのまさかの入院。
怠惰な生活を続けたあたしに襲いかかった入院という代償はとても大きなものだった。


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